診療案内reservation
【呼吸器内科診療のご案内】
当院では呼吸器内科専門医による検査・診断・治療を行っています。
【 気管支喘息 】
風邪の後も続く咳 大人の「ぜんそく」にご用心
セルフチェックリスト
- □ 子供の頃小児ぜんそくだった
- □ 花粉症やアトピー性皮膚炎など別のアレルギーがある
- □ 家族にぜんそくの人がいる
- □ 風邪を引くと治った後にせきだけが残る
- □ 少し運動するとせき込んだり、息が苦しくなったりする
- □ 季節の変わり目や寒暖の差が激しいときに症状が出る
- □ 梅雨や台風のときなど天気が悪いと症状が出る
- □ 仕事などでストレスが強いときにせきが止まらなくなる
- □ 煙草の煙やクーラーからの冷たい風などの刺激で悪化する
- □ 換気の悪いほこりっぽい部屋など特定の場所で症状が出る
*一つでも当てはまれば、大人のぜんそくの可能性が潜んでいます。
気管支喘息の診断方法は?
なぜ「呼吸器科かアレルギー科なのか」というと、喘息は百戦錬磨のドクターでも診断が難しい病気だからです。
「喘息」と言っても、アレルギー性の有るもの無いもの、ゼーゼーという喘鳴の有るもの無いもの、また、
喘息のような咳や痰が出る感染症もあります。
喘鳴がない場合は診断は難しくなりますし、日数がかかる検査もあります。
一般的には、問診→診察→胸部レントゲン検査→呼吸機能検査→呼気NO(一酸化窒素)測定検査→
血液検査などを、必要に応じて行います。
気管支喘息は慢性の炎症ですので、毎日治療を続けることが大切です。
気道の炎症が続くと気道が固く狭くなり元に戻らなくなりますので、治療によって症状をおさえることが困難になります。したがって、日頃から炎症をおさえる薬を使って発作を予防しなければなりません。
その主役は吸入ステロイド薬です。適切に使用すれば副作用は少なく安全です。
喘息の重症度に応じてその量を調節したり、他の薬を追加したりします。
すべての薬剤を使用しても喘息がコントロールできない場合、注射薬での抗体療法があります。
【 咳喘息 】
その長引く咳 咳喘息ではないですか?
咳喘息とは?
咳喘息は喘鳴(ゼーゼーいうこと)や呼吸困難を伴わず、咳だけを唯一の症状とする病気です。
かぜをひいた後に3週間以上の咳が続くことがあれば、この病気の可能性があります。
一般的な喘息と同様、ホコリやダニなどのほか、たばこの煙、気温差、運動、飲酒、ストレスなど、
いろいろな刺激に対して過敏になり、咳の発作が起こります。
この病気は、特にアレルギーのある人に多いとされ、患者数は年々増加しています。
咳喘息を放置すると喘息に
咳喘息を放置していると、約3分の1が気管支喘息に移行してしまうことがあり、適切に管理を続けることが大切です。
【 COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫 】
咳、痰、息切れはしていませんか?
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、今まで、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
2004年に行われた大規模臨床研究の結果、日本におけるCOPD患者さんの数は500万人と推定されていますが、その内、治療を受けている方は22.3万人と、わずか4.5%でした。
Fukuchi Y. et al. Respirology, 2004. 9:458
COPDは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病に比べると認知度が低く、あまり重大に考えていない方も多いかもしれません。
しかし、COPDによる死亡数は世界中で急激に増加しています。(2004年 死因第4位;WHO(世界保健機関)発表)日本でも、COPDは死亡原因の第9位となっており(2011年;厚生労働省発表)、今後さらに増えると予想されています。
1)「2001年 厚生労働省」 2)「厚生統計要覧 厚生統計データ」
COPDの最大の原因はタバコです。タバコの煙を吸うことで気管支に炎症がおきて、咳や痰が出ます。
また、気管支が細くなることによって息がしづらくなります。
早足や坂道で息切れを感じたり、咳がなかなか止まらなかったり、痰がからんで仕方がないという症状が特徴的です。
せき・たん息切れが続くのは、
呼吸の危険信号
COPDチェック
COPDの診断・管理・予防のための問診票です。
修正 MRC(mMRC)息切れスケール質問表
*グレード分類1以上の方は、「息切れ」により、日常生活に支障をきたす可能性がありますので、ご相談ください。
肺の「衰え」に注意 まず「肺年齢」をチェック
肺機能の低下を早期発見するための取り組みが、スパイロメトリーという呼吸機能検査による「肺年齢」チェックです。自分の値が健康な人の何歳に相当するのかを示すのが肺年齢です。肺年齢が実年齢より10以上高い場合は、呼吸器科に相談し生活の改善などに取り組むことをお勧めします。
喫煙者にはまず禁煙が求められます。症状が進むと運動ができなくなったり、酸素吸入を続けないと生活できなくなったりすることがありますので、禁煙は積極的に取り組みましょう。
また、増悪を避けるために、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種をお勧めします。必要な方には気管支を拡げる効果のある吸入薬を用います。重症な患者さんには、酸素吸入器を用いた在宅での酸素療法を行う場合もあります。
【間質性肺炎】
間質性肺炎とは?
間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため(線維化)、酸素を取り込みにくくなる病気です。間質性肺炎の原因は様々ですが、原因不明のものを特発性間質性肺炎(IIPs)と総称します。
IIPsのなかでは特発性肺線維症(IPF)が80~90%と最も多く、次いで特発性非特異性間質性肺炎が5~10%、特発性器質化肺炎が1~2%程度です。
また、関節リウマチなどの膠原病に伴って出現する場合があり、採血などで膠原病がないか調べる必要があります。
当院でピルフェニドン、ニンテダニブを用いた治療も可能ですが、場合により、まず気管支鏡検査をおすすめすることがあります。
間質性肺炎には、どのような治療を行いますか?
IPFでは、抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)により病気の進行を緩やかにできる場合がありますが、効果には個人差があります。
その他の病型のIIPsでは、多くの場合ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)や免疫抑制剤が適応となります。
病気が進行すると呼吸不全となり酸素吸入が必要になることもあります。
生活上で何か注意できることはありますか?
風邪などをきっかけとして急激に病状が悪化することがあります(急性増悪)。
致命的になることも多く、このようなことを防ぐために、日常の手洗い、うがいを徹底するとともに、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを受けておくことが推奨されます。
【肺非結核性抗酸菌症】
肺NTM症は、中高年者で急増しています。
肺NTM症は結核菌以外の抗酸菌は肺に感染して起こる病気です。非結核性抗酸菌は土や水などの環境中にいる菌で、結核菌とは異なり人から人には感染しません。
菌の種類は150種類以上ありますが、肺NTM症の80%がMAC菌で、次に多いカンサシ菌が10%です。
女性にやや多く、年間約8,000人が発症します。
肺結核が年々減少しているのに対して肺NTM症は増加しています。
南宮湖,他,Epidemiology of Pulmonary Nontuberculous Mycobacterial Disease,
Japan. , Emerging Infectious Diseases 2016
初期は無症状のことが多いですが、治りにくい咳が特徴です。
症状がなく、検診の胸部エックス線検査などで発見されることもしばしばあります。咳、たん、血たん、だるさ、発熱、寝汗、体重減少などが出ることもあります。
どのような検査を行いますか?
- 胸部エックス線検査、胸部CT検査で特徴的な影を見つけます。
- 喀痰を調べ、培養で菌があれば診断になりますが、結果が出るまでに6週間程度かかることがあります。喀痰から2回以上同じ菌が出ることが診断に必要です。喀痰が出ない場合は気管支鏡検査を行い、検体の培養を行います。
- 非結核性肺抗酸菌症のうちMAC菌が原因と診断されて、症状や肺の影が悪化してくる場合には薬による治療を行います。
菌が完全に消えることはまれであり、治療終了後も再発しないか定期的に胸部エックス線検査をします。
再発すれば治療を再開します。
診断の流れ
【アレルギー科のご案内】
当院ではアレルギー専門医による検査・診断・治療を行っています。
当院では花粉症、アレルギー性鼻炎の検査・診断・治療を行っています。
舌下免疫療法はできますか?
スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法は、種々の報告からその有効性・安全性が確認されています。
アレルギー体質を根本的に体質改善させることを望む患者さんには、積極的にお薦めしています。
ただし、スギ花粉に対する舌下免疫療法は、スギ花粉飛散時期に開始することはできませんのでご注意ください。
実際の治療はどのように行いますか?
問診・血液検査などを行い、確定診断の後に治療に入ります。
- 舌の下にお薬を1分間置く
- 1分経ったら飲み込む
- その後5分間はうがい・飲食をしない
これを、きちんと3~5年治療を続けた患者さんでは、治療終了後4~5年経過した時点での追跡調査で80~90%の効果の持続が認められています。
本当に安全なのでしょうか?
・重篤な全身に及ぶ副作用は非常に少なく、死者はいません。
・口の中やノドの痒み、違和感などの副作用は出ることがありますが、続けるうちに軽減していきます。
【リウマチ科診療のご案内】
当院ではリウマチ専門医による検査・診断・治療を行っています。
関節リウマチの診断、薬物治療を中心に膠原病(こうげんびょう)・リウマチ性疾患の診療を行います。
リウマチと聞くと、”よく分からない病気”、”治らない病気”という印象を持たれる方が多いかもしれませんが、ここ最近の薬物療法の進化によって大幅な改善が見込めるようになりました。
国際的に推奨されている標準的な治療方針を柱に、個々の患者さんの背景に合わせて総合的にケアします。